股関節を動かそう!

太極拳の套路などをやっていただくと、慣れていない方は体の向きを変える際に、軸足の膝を内側に入れることがよくあります。
膝関節は前方向にしか曲がるようにはできていませんが、多少の遊びがあるため、少しだけなら内外にずらすことができます。
しかし、体重を乗せた側の足でそれをやると膝に痛みが生じ、悪い場合は靭帯を痛めてしまいます。

このような動作になる原因は、大きく分けて二つあります。

  1. 足を開く場合に、末節(つま先から膝くらいまで)のみ方向を変えようとして根節(股関節付近)を動かしていない(開きかたが足りない)。
  2. 回転の軸足は膝が前方向に曲がりながら体の向きが変わるのが望ましいが、体の向きが変わりきる前に膝を止めてしまうため、その位置で膝が内側に入ってしまう。

※二つに分けましたが、1、2は相互に影響しあっていて、どちらかだけが起きることはほぼないです。

したがって、套路や推手で体の向きや進行方向を変える際には、回転が終了するまでは股関節の開きと膝の前屈を継続し、股関節の可動域が限界にきたら、軸足の踵中心につま先の向きを変えるか母指球を中心に踵の位置を回転してずらし、膝関節に横方向の力を作用させないようにします。

向きを変えたりする際の股関節開閉は、太極拳に限らず様々なスポーツやダンスなどでも共通して注意することです。
言い換えると、つま先の向きを変える場合には、足から股関節までを一本の棒のように見立て、脚全体で向きを変えるのです。
左右に曲がる構造になっていない膝関節や足首関節ではなく、もともと大きく開閉可能な構造になっている股関節を使うことで、動き自体も伸びやかになります。

中国武術では股関節を開く足の運びを「擺歩(はいほ)」といい、逆に閉じる足の運びを「扣歩(こうほ)」と言います。

雙鯉會では、基本の歩法として初学者には一番最初にお伝えし、練習しています。