太極拳の効果:太極拳で身体を鍛える

2018年にNY Times Wellで、太極拳が理学療法よりも良い効果があるとの記事の紹介。

和訳(ここから)

太極拳の動きは、車椅子の高齢者も含め、全ての年齢層で簡単に学ぶことができる。
太極拳を実施している人々のグループを見ると、しばしば「動く瞑想」と呼ばれるように、ゆっくりと、穏やかな動きで人々を強くしている。精神面だけでは身体面も強化され、その上健康になる。

この体力への影響には驚かされたが、公正な統計は嘘をつかない。
もしあなたが、トレーニングバンドやマシンなどのウエイトトレーニングの道具を使えなくても、太極拳はあなたのスタミナを増やし、弱った筋肉や骨に添った怪我のリスクを減らすことのできる活動になるでしょう。

太極拳の伝統武術という側面を恐れてはいけない。
太極拳(そして関係するエクササイズである気功)は、ジャッキーチェンの映画にみられるような、重力を無視した空手の動きとは似ていない。
太極拳の動きは簡単に学習でき、年齢や健康状態にかかわらず、90歳台や車いす、寝たきりの人でさえも)実行することができる。

この由緒ある動作のエクササイズによる恩恵を要約してから8年が経ち、Y’sヘルスクラブやコミュニティ、シニアセンターのような場所でも人気が出てきている。
今ではおおよそ一万人を超える人々が、太極拳は健康によい助けになると評価している。

第一に、私が以前に書いた、何故、身体を頑健にし、より健康に生きるために、太極拳を習慣化することを考慮すべきかということについて、繰り返し述べる。

  • 太極拳は衝撃も少なく、長時間座り続ける人やエクササイズを嫌っている人を含め、すべての年齢やたいていの健康状態の人に適している。
  • 太極拳は穏やかで、リラックスさせる活動で、深い呼吸を伴い、興奮して汗をかいたり息切れするようなことはない。
  • 関節や筋肉に過度のストレスを与えず、それゆえに痛みや損傷の原因となりにくい。
  • 特別な環境や用具は必要なく、ただ軽装の楽な服装があればよい。
  • 一旦正確な技術を資格のあるインストラクターから学べば、いつでもどこでも練習ができるローコストな活動である。

もう一つ:太極拳の効用はすぐに現れます。太極拳を週2回1時間ずつ行うと、12週間以内に様々な病状や障害でかなりの改善が得られる。

様々な医学的問題を抱える人々にどのような助けになるのかにフォーカスした多くの研究が、2015年に、北京大学やハーバードメディカルスクールの研究者によって観閲された。
それは、高血圧や心臓病、糖尿病、関節炎や骨粗鬆症の人々の健康維持に関する最新の研究を含め、Harvard Health Publications(ハーバード健康出版)によって「太極拳序説」
という書籍にまとめられた。

2015年に観閲された507の研究のうち、94.1%の研究で太極拳によい効果が見られた。これらには、ただ健康を目的とした192の研究が含まれ、うち142は健康奨励や健康維持を目的とし、50はバランス感覚の改善や転倒予防の効果を求めていた。

11秒ごとに、転倒した高齢者が救急処置室で処置を受けており、1/5は骨折や脳震盪、または他の深刻な損傷となっていることを考えると、最も重要な効用かもしれない。

一例として、スペインのハエン大学の研究者達が、昨年、アメリカ老年医学会の雑誌に載せた研究では、12~26週間、毎週1~3回、1時間太極拳を練習した高齢者は、転倒が43%減少し、転倒に関連した怪我は半分になった。

太極拳は、バランスエクササイズ、ヨガやウエイトトレーニングといったものよりも、転倒防止に良い効果を与える。
太極拳は、下半身の強化、姿勢の改善、柔軟性が向上し、空間把握能力と歩行を阻害する要因を改善する。

転倒への恐怖心は、身体を動かすことを躊躇させたり、転倒や怪我の可能性を増やすが、太極拳は転倒への恐怖心を和らげる。

太極拳は、荷重負荷がありながらもストレスが少なく、転倒時に骨折しにくくなります。
よく策定された臨床試験では、太極拳は骨の健康によい効果があることを示している。
例えば、香港で、閉経後の132人の女性が、一年間にわたり太極拳を練習したところ、座りがちな人と比べて、骨粗鬆が低く抑えられ、骨折者も少なかった。

間接や筋肉に痛みがある人は、太極拳によって無痛の稼働域を拡大できる。
痛みは、動く気力を失わせ、それがさらに筋肉を衰えさせ、関節を変形させる。太極拳にある動作は、痛みのストレスを最小化し、血行を改善し、癒しと安心感を得ることができる。

2016年の研究で、骨関節炎からくる膝の痛みを抱えた204人の人々が、週に2回太極拳を行うだけで、理学療法と同じくらい不快感を和らげる効果があった。
しかし、それだけではなく、太極拳を12週間行ったレポートでは、理学療法中の人と比較して、鬱状態が減少し、生活の質が向上した。

太極拳は、エササイズワゴンから離れ、活発に動けるようになりたい人の入口になることができる楽しい身体活動である。
私は、水泳やハイキング、また、道路をふさいだい空気を汚したりする乗りのものに依存する替わりに、自転車に乗ったりや歩くことが好きである。

アメリカのスポーツ医学会とアメリカ心臓協会のガイドラインによると、座りがちな高齢者は、バランス感覚や柔軟性、筋力トレーニングを始める前に、穏やかなものから活発な身体活動へとものへと推移させるとしている。太極拳は、よりきつい動作に入る準備として理想的である。

さらに、太極拳で健康になる過程において、精神状態も改善できる。ニュージーランドの大学生の研究では、太極拳は抗うつや抗不安症、抗ストレスの効果を示している。
また、自己効力感と呼ばれる重要な性質を向上させる。自己効力感とは、様々な活動をこなしその過程で困難も乗り越えることができるという自分への自信である。

和訳(ここまで)

2年前にニューヨークタイムズ紙に掲載された記事です。相変わらず和訳下手です(笑)

おおむねいいことが書いてあるのですが、一点だけ、「車椅子の高齢者も含め、全ての年齢層で簡単に学ぶことができる。」とありますが、決して「簡単」ではないと思います(笑)。学ぶこと自体は簡単にできるかもしれませんが、出来るようになるにはそんな簡単にはいかないですよ。

まあでも、一旦身に着けば、ここに書いてある効果はほぼほぼ得られるでしょう。