太極拳の記事を読んでいて、「八卦掌」という言葉が出てきて気になった方へ。
八卦掌(はっけしょう)は、太極拳・形意拳と並ぶ内家拳三大門派の一つで、流派にもよりますが、円を描きながら歩く「走圏(そうけん)」を中心とした武術というのが一般的なイメージです。雙鯉會で行っている雙邊太極拳( 双辺太極拳・そうへんたいきょくけん)は、太極拳をベースに、形意拳、八卦掌の優点を融合して作られているので、套路などにおいて、八卦掌っぽさがあちこちに現れてきます。
八卦掌にもいろいろな流派がありますが、弊会の八卦掌は正式には龍形八卦游身掌(りゅうけいはっけゆうしんしょう)という名称で、走圏と八つの換掌式(かんしょうしき)で構成されています。
この記事では、八卦掌の基本である走圏・足運び・換掌式(かんしょうしき)を、実際の指導内容に沿って順を追って解説します。
この記事でわかること
- 八卦掌の基本動作「走圏」のやり方
- 走圏における正しい足運び(母指球と踵の置き方)
- 換掌式・単換掌の歩法

八卦掌の基本「走圏」とは
弊会で指導する八卦掌の歩法は、八歩で一周(360°)を回る走圏が基本です。
- 八歩で一周。一歩で45°移動する
- 常に片足立ちになり、移動する足を床に付けたら全体重を載せ、すぐに後ろの足を前に送り出す
- 足を浮かせるとき/接地するときは足裏全面を同時に動かす(平起平落)
つま先を円の接線方向に向けて置く第一段階に慣れてきたら、足を斜めに置く第二段階へ。内側の足は股関節を開いて歩く擺歩(はいほ)、外側の足は股関節を閉じて歩く扣歩(こうほ)になります。
詳細は「八卦掌 走圏」を参照してください。
走圏の正しい足運び(母指球と踵の置き方)
走圏の足運びでは、足裏の接地位置がポイントです。
第一段階
足幅のレールが2本、円を描いているイメージで、同じレールに、片足の母指球と踵の両方を接地。
第二段階
母指球・踵で両方のレールを踏む。
- 擺歩:母指球は元のレール、踵は相手側のレール
- 扣歩:踵は元のレール、母指球は相手側のレール
つま先だけの向きを変えようとすると、膝から下を主として動かそうとして膝を捻ることがあるので、脚全体でつま先の方向を変える、すなわち股関節の開閉でつま先の向きを変えることが重要です。
詳細は「八卦掌 足運び」を参照してください。
走圏の補助アイテム:フラフープ活用法
走圏では、八卦の方向に正確に足を置くことが求められますが、初心者のうちは歩幅を一定に保てず、足の位置がずれやすいです。走圏は円の中心を見ながら行いますので、部屋が四角形とした場合、二歩で見ている壁が変わると考えるとやりやすいですが、それでも八歩で元の位置に戻れない場合は、組み立て式のフラフープなどを目印として使うことで、円周上の位置関係を視覚的に把握しやすくなります。
詳細は「八卦掌の走圏で方角を見失わないために」を参照してください。
換掌式(かんしょうしき)とは
弊会の八卦掌は正式には龍形八卦游身掌といい、走圏を行いながら手を入れ替え(換掌)、歩く向きを逆転させる八つの形(換掌式)で構成されています。
走圏を西から始めて、七歩目で換掌式を行うことで進行方向が逆転し、逆回転で左右対称に換掌式を行うと最初の立ち位置に戻る構成になっています。平起平落・螺旋勁(らせんけい)・斜中正(しゃちゅうせい)など、太極拳とはまた違った身体操作の要素が詰まっています。
教えることを指南(しなん)するという表現をすることがありますが、古い武術指導では最初に向く正面を南とし、後ろが北、右を西、左を東として方向を考えます。つまり、走圏を西から始めるということは、円の右側から始めるということです。
詳細は「八卦掌 換掌式」を参照してください。
単換掌の歩法(第一節)
換掌式の中でも基本となるのが単換掌(たんかんしょう)です。八卦掌第一節、単換掌の歩法は以下のように進みます。
- 七歩目で内側の足を擺歩して爪先を円の中心に向ける
- 外側の足を扣歩して爪先を円の中心に向ける
- 内側の足を踵中心にして爪先を円周方向に向ける(伏虎勢)
- 外側の足を内側の足の位置に揃える
詳細は「龍形八卦游身掌 第一節歩法」を参照してください。
他の換掌式は、単換掌の応用になるので、まずは単換掌を理解し、じっくりと練習することが大事です。
まとめ
八卦掌では、走圏という独特の歩法練習および換掌式によって、身体の中心軸を保つ感覚や、股関節開閉、螺旋(らせん)の身体操作を学びます。
また換掌式は、そのまま攻防の技術にもなっています。
金沢・高岡では、太極拳とあわせて八卦掌の指導も行っています。ご興味のある方は、まずは体験レッスンで、実際に走圏を歩いてみませんか。



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