太極拳の姿勢

reifan

 某格闘ゲームの天才太極拳使いさんの対戦中の姿勢ですが、どう見ても太極拳の要求する姿勢じゃないんですよね。技を出している時はともかく、相手と対面しているときに上半身をフラフラさせて腰椎の部分(赤丸の箇所)を反った姿勢をとることが結構あるんです。むしろこの絵の対戦相手の抜け忍女子の方が、太極拳ぽい姿勢です(笑)

 太極拳四字熟語の中に、尾呂中正(びろちゅうせい)というのがあります。 骨盤を巻き込んで背骨を真っ直ぐに伸ばすことを意味します。ほかにも収臀(しゅうでん)とか提肛(ていこう)という表現がされています。

姿勢図
骨盤の巻き込み方

 現代人は、腰を反って生活することが多く、上図の左の状態で過ごしています。膝を伸ばした状態では、骨盤が前傾し腰椎は多少は反りますが、必要以上に腰を反って胸を張る姿勢をとる人が多いです。
長期にわたって この状態でいると、腰痛になったりします。学校で教わる「気をつけ」の教え方がよくないのだと思います。

 太極拳では、骨盤を巻き上げるようにして命門(めいもん)と呼ばれる部分、腰が反った状態のくぼみを張り出すようにして背骨が上下に真っ直ぐになるようにします。

 わかりにくい場合は、壁に背中をつけて確認します。普通に立って壁に背をつけた場合、腰のあたりに隙間ができて、手を差し込めます。そこで、膝を少し曲げて足も少しだけ壁から離し、高い椅子に腰かけるようにして骨盤を巻き込みます。そうすると隙間がなくなるように背中を壁に密着することができます。 太極拳では、この状態をキープして動きます。

 普通に立つ場合でも、この姿勢を作った後に、上半身の状態を変えずに膝を伸ばして立てば、腰椎は多少反りますが、無理なく綺麗なカーブを描くようになりますし、重心が下がり安定します。