走圏は八歩で一周
走圏(そうけん)は、程派系の八卦掌では一般的な練習方法で、八歩で円を一周回るように歩く練功です。円の中心に相手がいる想定で、その周囲を歩きながら側面(可能ならば背面)に回り込むように動く練習です。八卦の方角に足を置くことから八卦掌という名前になったのだと思われます。この走圏の練習ですが、八卦の方角を踏んで八歩で一周することが、初心者のうちは難しく、足を置く方角を見失いがちです。
八卦とは
八卦とは易における8つの概念のことです。「乾(ケン)・兌(ダ)・離(リ)・震(シン)・巽(ソン)・坎(カン)・艮(ゴン)・坤(コン)」で表され、占いなどで使われています。宇宙の根源である太極から陰陽に別れ(両儀)、陰陽がさらに、陰は小陽・大陰、陽は大陽・小陰に分かれます。これを四象といいます。四象がさらにそれぞれ陰陽に分かれて八卦を生じるという考え方です。日本でも「当たるも八卦、当たらぬも八卦」ということわざがあるように、主に占いで使用されています。
八卦の方角は先天八卦と後天八卦でそれぞれ違いまして、弊会のアイキャッチ画像の八卦図は後天八卦で描いてますので、後天八卦で説明します。
| 八卦 | 音読み | 方向 |
|---|---|---|
| 兌 | ダ | 西 |
| 坤 | コン | 南西 |
| 離 | リ | 南 |
| 巽 | ソン | 南東 |
| 震 | シン | 東 |
| 艮 | ゴン | 北東 |
| 坎 | カン | 北 |
| 乾 | ケン | 北西 |
八卦掌の練功では、この八卦の方角を歩いて回ります。弊会で行う八卦掌については『八卦掌 換掌式』に記載してあります。
走圏中の場所を確認するために
走圏の立ち位置と歩く位置
走圏は、西の位置に立ち、南を向いて、内側の足から開始します。内側の足は擺歩(はいほ)、外側の足は扣歩(こうほ)といって、股関節を開く閉じるを繰り返すようにできています。詳細は『八卦掌 足運び』を参照してください。
この走圏ですが、八卦の方向、西から始まって、南西、南、南東、東、北東、北、北西、西と移っていき、八歩で360°、一歩で45°移動するのですが、初心者のうちはなかなかうまくできず、だいたい途中でずれてきます。特に扣歩、すなわち外側の足の歩幅が不足することが多いです。その後に、調整のために擺歩、すなわち内側の足の歩幅が通常よりも大きくなりがちですし、なんなら八歩でもとの位置に戻れないということもあります。
目印として、円の中心位置にペットボトルや水筒などを置いて八歩で一周しても、だんだんずれてくることがあります。八卦の方角をイメージできないのかと思われます。スタジオや体育館など、四角い部屋の中で練習することが多いので、走圏は円の中心を見続けるため、二歩、すなわち90°で見える壁が変わるといった指導もしておりますが、それでもなかなか方角を合わせることが難しいようです。
位置を確認するために
上述したように、円の中心位置に水分補給用の飲料ペットボトルや水筒などを置いて目印にするのが一番手っ取り早いのですが、45°の位置は把握しづらいので、一歩の歩幅が小さくなりがちです。
床に低粘着テープを貼ったりして、足の位置を確認するような方法を取ったりもできますが、貸しスタジオや公共の体育館などの場合、後で剥がさないといけないし、円周上に正しく45°ずつずらして位置を決めるのは、精度に問題があったりします。また、間違って低粘着養生タイプではないテープを使用してしまうと、テープを剥がした際にワックスなどが一緒に剥がれてしまい、施設に迷惑をかけてしまうこともあります。
八卦掌練習の際に、お手軽に設置できて、明確に八方向がわかるグッズがなにかないかと考えていましたが、ある日、ある方が、お手軽に設置・撤去ができて、方位もわかりやすく持ち運びも便利なグッズを見つけてきました。それこそが、組み立て式フラフープです。

フラフープ
フラフープをご存じない方は少ないと思いますが、念の為解説を入れておきます。
フラフープは直径1mほどのプラスティック製などの素材の輪で、輪の中に入った人が腰などを振って回転させるための輪です。フラダンスのように腰を動かしてフープを回すため「フラフープ」と命名された。腰以外にも首・腕・足などを使い、身体の各部位で回して楽しむ
引用元:Wikipedia
一般的な使用方法としては、ウエスト周りの運動として、おへその高さにフラフープを持ち上げ、腰を前後または左右に揺らせてフラフープを回転させます。フラフープにかかる遠心力を弱めないように腰で回すのが大事なようです。
フラフープを使用したエクササイズは、ダイエット効果があることが研究で発表もされています。(参照:PubMed Centrqal)
走圏で組み立て式フラフープを目印にする理由
- 設置・撤去が手軽
- 色の境目がわかりやすく、走圏の半径を大きくしても、場所を把握しやすい。
- 組み立て式なので分解して持ち運べ、かさばらない。
- 八仙過海(はっせんかかい)のときに円の中央を横切る動作があるが、中心にものを置かないので邪魔にならない。
組み立て式フラフープと八卦の方向を重ねたものがこちらです。色の境目が、ちょうど八卦の方向に合っているのが解ると思います。

走圏目的の場合のおすすめフラフープ
走圏目印に利用するためには、色が交互になるようなタイプで、色数は2色がおすすめです。3色タイプは、色の境目が16箇所できるので、八歩で一周する走圏では、足を置く位置を間違える可能性が増えるのでおすすめしません。また、組み立て式フラフープは分解できるので、かさばらず持ち運びにも便利。2色でも分解すると16個に分かれるものもあるのですが、同色を2パーツずつ交互に組み立てることで、色の境目を8箇所に限定することができます。大きさは80cm〜100cmなど様々ですが、初心者のうちは小さめのものがよいでしょう。走圏の半径を大きくしたい場合は、フラフープから離れて行えばよいです。色は、方角の境目が明確にわかるように、明るい色と暗い色が交互にくるようなものがよいでしょう。
最近では、円ではない形状のものもあるようで、こういったタイプは目的にはそぐわないので、おすすめしません。
本来の使い方で行う場合、回しやすさを考慮して重めのフラフープがおすすめされたりしますが、本目的の場合は重さは関係ないので、持ち運びを考えて軽めのものを選んでいただいて構いません。
実際にフラフープを使った走圏
実際に、フラフープを使用した走圏練習風景がこちら。フラフープの数が少なくても、対面で行えば、走圏のみの場合、一つにつき2〜4人で練習できます。3人以上の場合塔手(とうしゅ)ができないので、立ち位置を外側にずらし、半径大きめでやると、互いの手が重ならずにすみます。

フラフープはどこで買える?
フラフープはスポーツ用品店やECサイトなどで購入ができます。100均にも置いてありますが、しっかりしたものを選びたい場合は、スポーツ用品店で売っているものを購入すると良いでしょう。もちろん走圏のみで使用する場合は100均用品でも十分使えます。
ECサイトで購入できるおすすめフラフープです。
軽量タイプ
8つに分解でき、直径約90cm、重量380gと軽量のタイプ。色合いが明確に分かれているので、境目がわかりやすい。
せっかくならフラフープ本来の目的でも使いたい、という方は、もちろん本来用途で使いやすいものを選んでも結構です。その場合は、遠心力が付きやすい重めのものや、床に落ちても傷がついたりしないように保護カバーがついているものがおすすめです。
重量タイプ
8つに分解でき、直径約100cm、重量:1080gと重めがあり、カバーされているタイプ。色合いが明確に分かれているので、境目がわかりやすい。フラフープとしても本格的に使用したい方向け。
フラフープの売れ筋ランキングもチェック
ご参考までに、Amazonにおけるフラフープの売れ筋ランキングは、以下のリンクからご確認できます。
まとめ
八卦掌の走圏において、初心者が間違えやすい足を置く方角と、間違えないようにするための工夫について述べました。特別な道具などを用意しなくても、日常的にあるもので代替することを考えるのも楽しいものですね。工夫して力をつけるのが「功夫」です。
フラフープを用いる際の注意点として、足元の境目を見ようとせずに、対角にある境目を見て足の置き位置を判断するようにしてください。足元を見てしまうと、目線が下に行ってしまい、姿勢が崩れます。崩れた姿勢で練習するとマイナスの学習が発生してしまいますので、注意が必要です。目線は相手(仮想敵)のいる場所、走圏の場合では円の中心です。自分の位置と円の中心を結んだその延長線上、すなわち八角形の対角線上に色の境目があるので、そこを目印にすれば、足元も色の境目になるはずです。



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