体の水平慣性力

突然ですが、下図の黒丸にあった玉が、赤丸の位置まで到達するのが一番早いのは、①から④のうちどの斜面でしょうか?幅と高さは全て共通です。

答えは④番です。直感的にわかる人も多いでしょうが、この話は数学的に証明されていて、最速降下曲線といい、サイクロイド曲線がこれにあたります。

最速降下曲線(さいそくこうかきょくせん )は、任意の2点間を結ぶ全ての曲線のうちで、曲線上に軌道を束縛された物体に対して重力(に代表される保存力) のみが作用する仮定の下、物体が速度0でポテンシャルが高い方の点を出発してからもう一方の点に達するまでの所要時間がもっとも短いような曲線である。(wikiぺディアより抜粋)

なんのこっちゃよくわかんねーな?とか、サイクロイドって何?とか思われた方、詳しく知りたい方は、最速降下曲線でググっていただければ、詳しく説明されたサイトや実演動画などがたくさん出てくるので、是非そちらをご覧下さい。

さて、地球上で人体が外部に向かって発することのできる、一番大きい力はなんでしょうか。

答えは自重です。要するに、自分の体重より大きい力は、物理的に別の物体に作用させることはできないのです。

これを打撃として考えた場合、真横から 全体重をぶつけるのが、最も効率がいいということになります。例えば、体重60kgの人が、理想的に水平方向に移動慣性を発生させることができた場合、真横から60kgの鉄球が飛んできたようなものです。そう考えると、ヤバさのイメージがわきやすいと思います。

ただ、人体は球体にはなれないし、剛体でもないので、現実には鉄球のようにはいきませんが(笑)

先程の図で④番が最も早く赤丸地点に到達すると説明しました。つまり体当たりを最も早く目標物に到達させたい場合、体の重心を、④番の軌道を描いて相手にぶつけるのがよいのです。さらに、最速で到達するということは、その場所における速度が最も大きいということで、それはすなわち、運動エネルギーが最も大きいということになります。そして、赤丸地点のように、速度ベクトルが水平になっているのが重要です。

これを実現した動作を、うちでは落下&推進と呼んでいます。

具体的にはどうやるのかは、こちらの記事をご覧ください。